家族信託と遺言の比較

家族信託・民事信託

家族信託には、遺言と同様の効力を発生させる機能があります。つまり、ご自身の意思でご自身の死後の財産の帰属先を決めることができるということです。
遺言との大きな違いは、家族信託を用いることで、二次相続対策ができるという点です。

ひとつ、Aさんの事例を挙げてご説明いたします。

Aさんの事例

Aさんには、前妻との間にお子さんBがおり、現在は、後妻であるCさんと生活しております。
AさんとCさんとの間にお子さんはおりません。また、後妻であるCさんには、前夫との間にお子さんDがいます。
Aさんとしては、ご自身の財産は全てCさんに残したいが、Aさんは、Cさんのお子さんであるDさんとウマが合わず、ご自身がCさんに残した財産を、将来Dさんには引き継いで欲しくないと考えています。

上記の前提で、Aさんが、①遺言を残した場合と、②家族信託を利用した場合を見てみましょう。

遺言を残した場合と家族信託を利用した場合

遺言を残した場合

Aさんに相続が発生した場合、Aさんの財産は全てCさんのものになります。
しかし、遺言では、将来Cさんに相続が発生した場合に、AさんがCさんに残した財産の帰属先を決めることはできません。Aさんに相続が発生した時点で、Aさんの財産は全てCさんのものになりますから、CさんがAさんから引き継いだ財産については、Cさんの意思で処分ができるわけです。
ですから、Cさんが仮に財産を前夫とのお子さんであるDさんに残したいと希望すれば、財産はDさんのものになってしまうわけです。

家族信託を利用した場合

まずAさんを委託者兼受益者、Bさんを受託者とする信託契約を締結します。
この契約の中に、「第二次受益者」としてCさんを指定します。これは、Aさんが亡くなった場合の受益する権利(受益権)の帰属先をCさんとすることを意味します。
さらに「第三次受益者(または権利帰属者)」としてAさんの前妻とのお子さんであるBさんを指定します。これは、Cさんが亡くなった場合の財産の帰属先をBさんとすることを意味します。
つまり、Aさんの財産がA→C→Bと移っていくのです。

 

このように、家族信託を利用することにより、ご自身の財産の帰属先を先々まで決めることができるのです。ご自身の財産が先祖代々から引き継がれたものである場合、その帰属先を、最終的にはご自身のお身内に残したいという思いを持つ方は多いと思います。この機会にぜひ家族信託をご検討されてはいかがでしょうか。