民法改正で保証人はどう変わる?

生前にできる対策

明治時代に作られた民法が初めて全面的に見直され、
120年振りに大改正された改正民法が2020年4月1日より施行されます。

大きな変更点が多数盛り込まれた新しい民法の中で、これからの高齢者が知っておくべき内容の一つとして、高齢者施設へ入居する際に必要になってくる保証人について大きく変更されることとなりました。

こちらでは、保証人についてどう変わるのかについて解説いたします。

 

民法改正とは

まず民法について簡単にご説明します。
現在(2020年3月まで)の民法は1898年に施行されました。
総則、物権、債権、親族、相続の五編で構成されています。

こちらの中で、債権について制定以後初めてとなる改正が加えられ、2020年4月1日から施行されます。

 

改正のポイント

そもそも改正を行った理由としては、変化する社会情勢に対して現行の民法では対応が難しくなる事態が多くなることを受けて、より明確で分かりやすいものにしようという主旨での改正となりました。

その中で、保証人に関して大きく変わる部分は、
個人の根保証契約に関する条文
になります。

身近なところを例にしますと、
AさんはB社を相手に毎月商品を仕入れる事業を行うために、Cさんを極度額500万で保証人にしました。
その後、Aさんは事業がうまくいかず、B社に対して1000万の負債を負いました。
しかしAさんには支払い能力がないので、B社は保証人のCさんに1000万の請求をしましたが、極度額が500万なのでCさんは500万のみ保証義務があります。
かなり簡略化するとこうなります。

根保証とは金額が定まっていない分、予想以上に大きな金額が保証人の負担となることがあるため、あらかじめ保証人が保証できる限度額を決めて証人を守ろうというのが改正の根拠となります。

この「根保証の極度額」はこれまで「個人が保証する貸金等」にだけ適用されてきました。
それが今回の改正で、「個人が保証する契約」とより範囲が拡大されました。

実際にはどう変わるのか

では実際に高齢者にはどんな影響があるのでしょうか。

前項で、
根保証=賃貸物件の保証
と記載しました。
この保証は貸金等には入っていなかったので、極度額を決める必要はありませんでした。

ですが改正されたあとは、「個人が保証する根保証は極度額の定めが必要」となるので、賃貸料がかかる部屋への入居についても、保証人が保証する限度を決めなければ契約ができないとなります。

つまり、これまでは施設にご入居する際に保証人がサインする契約書には「保証をする」だけだったものが、
「〇〇円を保証する」というより具体的な金額が表示された契約書にサインするということに変わることになります。

これを踏まえた上で、高齢者施設の種類に応じて保証人の変わる範囲を見てみましょう。

ただし、何を保証に入れるかは施設運営会社の判断に委ねられているので、必ずしも上記表の通りになるとは限りません。
また、極度額をいくらにするのかも施設運営会社が決めることになるのが現状ですので、施設ごとに保証人の負担は変わります。

保証人がお願いできない場合は

この改正は個人が保証する場合に適用されます。

改正条文
”個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない”

法人には適用されません。

近年、賃貸物件を借りる際は家賃保証会社がつくケースが増えてますが、高齢者施設へ入居する場合も保証会社の利用が増えてくると言われております。
ただし、高齢者施設の保証は賃料の保証だけではなく、緊急時の対応や物品購入の同意など、やることは多岐に渡ります。
保証会社を検討する場合はそういった総合的にサポートがある保証会社を選択した方が良いでしょう。